のんびり気ままにGOC6攻略中。
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以前の覇王丸、ナコルルの故郷へ行く話の続きにあたります。
今回はリムルルの出番です。ナコルルの登場は低め。 覇ナコ大好きですが、覇王丸&リムルルのコンビも大好きです。 アスラ以降のサムスピをよく知らないのですが、何となくリムルルは覇王丸に対しては甘えられる対象として見ているんじゃないかなぁと。我が儘言ったり拗ねたり絡んだり、時にはおんぶしてーとか無邪気に遊ぶような。 ガル吉に対しては、大好きな姉と仲がいいもんだから、逆に敵対心に似たような物を抱いているような。なもんで、ガル吉がどんなに爽やかでいい兄ちゃんでも(妹がいるので恐らく対応もうまい)素直にはなれない。 覇王丸とナコルルも仲がいい(と言う自分設定)のですが、リムルルから見ると、姉を取られるとも、姉が自分を見てくれなくなるとも感じ取れない相手で、それどころか、姉ごと自分も見てくれる人、と言う印象を抱いているといいなと。逞しさと包容力に父性を感じているのかもしれないけれど、同時にだらしないところもみているので(CDドラマやアニメ)、自分がちゃんとしなくちゃ、と言う自尊心や優越、母性も知らずに感じているような。あ、うちではリムルルは覇王丸に対してタメ口です。蒼紅の刃では敬語でしたけれど、ドラマCDとかでタメ口だったのが印象に残っているのでそっちで。 覇ナコのいちゃらぶも見てみたいし読んでみたいけれど、書くとなるとちと自制がかかります。ちゅーとかハグとかそれ以上とかそんなこっ恥ずかしい事いいぞもっとやれと応援したくなるほど好きなんですが何かこう、違う、何か違う、と指が止まってしまうわけで。 いやでもマジで覇ナコのいちゃらぶ見てみたい……。 そろそろ周りがひいていらっしゃるので止めます。 一部修正。 覇王丸、以前ナコリムんちに来たことあるんだよ……だのに祖父母と初対面ってありえないだろ自分(裏手ツッコミ PR 「姉様ー!! 覇王丸さーん!!」
村へと続く道を歩いてしばらく。そろそろ村の姿が見えてくる頃だとナコルルが告げたとき、その村の方角から手を振って駆けて来る少女の姿が見えた。 『リムルルだわ、リムルルー!』 暖かな陽光の中、この地の民族の模様を縫い止めた青い衣装がよく映える。ナコルルは顔をほころばせ、妹の名を呼んだ。 「ははは、相変わらず元気だなぁ。おう、リムルル!」 別れたときと変わらぬ姿に目を細め、覇王丸も少女を迎える。 「覇王丸さん!」 両手を広げ、地面を蹴る。 「久しぶりー!!」 「うおっ!」 小柄な体が軽く浮き上がり、目の前にいた覇王丸の懐へ、まるで体当たりをするか如く飛び込んだ。いきなりのそれに驚いたものの、覇王丸はしっかりと受け止めた。 「激しい出迎えだなぁ、リムルル」 「へっへー、だって、姉様が覇王丸さんを迎えに行ってくるって言ってからずっと待ってたんだよ!」 「おお、悪い悪い。ちぃと途中で雨に降られちまってな」 『雨宿りをしていたの。遅くなってごめんね、リムルル』 「ううん、いいよ! さっきの雨だったらしょうがないし。さ、早く行こう! お爺様とお婆様も待ってるよ!」 村は自然に囲まれた静かなところだった。行き交う人々は多くはないが、皆似た意匠の服を着て、物珍しげに南からの来訪者を眺めていた。その視線に多少の気恥ずかしさを覚えながらも、覇王丸はリムルルの案内を受けて二人の家へと向かう。時折、リムルルやナコルルの姿を見て、眩しいように目を細めてから頭を下げる人もいる。 ところでナコルルは覇王丸からリムルルの肩へと移動しており、何となく覇王丸は肩が寂しい気もした。 「覇王丸さん、今日はうちで泊まってってよ、お爺様がね、お酒の相手してほしいって言ってたし」 「お、いいのか? それじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかね」 どこの村にも、宿はなくとも旅人が泊まれるような家が幾つかある。以前は二人の家に泊まらせてもらった。今回、覇王丸はそこで厄介になろうと思っていたのだが、そう言ってくれるのであれば、有難く泊まらせてもらう。 『でも覇王丸さん、あまり度を過ぎては駄目ですよ?』 「そりゃ爺さんに言ってくれよ」 実は以前訪ねた時、二人の祖父と酒のことで意気投合し、夜更けまで飲み続けたのだ。祖父は次の日けろりとした態度でいつもどおりの狩りに出かけ、覇王丸は多少の二日酔いがあり、しばらく眠り込んでいた。 「けどまぁ、久方ぶりなんだし、たまには羽目外してもいいだろ?」 悪戯好きの子供のようにくしゃりと笑みで顔を歪ませる。 『もう、しょうがないですね』 「ほんっとう、いくつになってもだらしないんだから。呆れちゃうよ。ねー、姉様」 「へぇへぇ」 口できついことを言いながらも表情は至って明るく気兼ねない。覇王丸は笑いながらリムルルの頭を撫ぜた。 家に辿り着けば、見覚えのある老夫婦が気持ちよく迎えてくれた。それから家の中で道中の話をするうち、夕餉の頃となる。リムルルが祖母と一緒に料理と酒を運んできた。その姿に覇王丸が、ちゃんと料理もできるんだなぁと茶化せば、案の定、リムルルは膨れ面をして覇王丸の背中をばしばしと叩いた。 それからそろって食事をする。ナコルルは食べることはできないが、夕餉を共にした。食べられないからと言って離れるでなく、一緒に話すのが大事なのだ。 出された地酒はなかなかに強く辛く、しかし覇王丸の舌には心地よかった。以前、一緒に飲み交わしたときから大分時が経っているが、相変わらず祖父は酒豪だった。若いときより少しだけ飲む速さがゆっくりになった覇王丸だが、祖父は変わっていなかった。祖母が、いくら酒に強くとも歳を考えてくれと釘を刺したが半ばあきらめているような口調でもあった。再会を祝して実に楽しげに飲んでいたからだ。覇王丸も気持ちよく飲んだ。 それでもさすがにそろそろ、と促されお開きとなる。しっかりとした足取りだが、真っ赤な顔で祖父は床につく。覇王丸は酔いを軽く醒まそうと外へでた。リムルルたちは後片付けだ。 「ふー」 外に出た覇王丸が空を見上げると、濃紺の空には砂金をばら撒いたように江戸では見ない星が浮かんでいた。帯のような光の群れも見える。まだ少し冷たい夜風が頬を撫ぜ、熱っぽい体を冷ましてくれた。吸い込む空気は草と水の匂いで、家々からもれる煮炊きが落ち着いた匂いも混じっていた。 さくさくと草を踏みしめながら歩き進み、覇王丸は少し村の中心から離れた草原で、傍に刀を置いてごろりと寝転んだ。 |
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「これはこれは、パットン皇子。ご機嫌麗しゅう」
「………………」 たった今物凄く悪くなった、という表情をパットンは隠さなかった。それを正面から見た相手も、特に気にした様子もなく、似非臭い貼り付けたような笑顔で立っていた。 体が大きく、筋骨隆々とした者が多いヘルマンにおいて、他国の男性よりは背丈はあれどヘルマンの中ではさほどでもなく、何より女と同じくらい白い肌を持つ、文官風の男。 ステッセル・ロマノフ。パットンはこの男が出会った時から気に食わなかった。 自分よりも少しだけ年上というにもかかわらず、その頭脳で若くして文官たちの中でも頭角を現すようになりつつある。まだ少年といってもいい年齢だ。 人材としては非常に優秀だけれども、それは国全体や皇帝のための能力である。幼いパットンからしてみれば、その能力よりも、相手の性格や態度の方が気になった。 とにかく、厭味。これにつきる。 パットンは皇子で、第一王位継承者で、相手は優秀と言えどただの文官にしかすぎない。だがしかし、ステッセルはパットンに絡むことが多かった。顔を合わせる機会はそれほどないのだが、会えば何かしら言ってくる。それが歳が近いことからの親しみを込めたものではなく、上辺は気さくでありながら、中身は黒い。10を過ぎたばかりのパットンでもそれは肌で感じ取れた。 パットンは幼い頃から『庶子』という生まれに反感を持つ者たちの中で育ってきたため、ある程度、人を見る目は育っていた。ステッセルは、どういう考えがあるにしろ、パットンに反感を持つ者たちと同じ空気を感じる。 「いつも一緒にいるご友人はどうなされましたか?」 「……ヒューは稽古をしている。俺もこれから行くところだ」 口調は至って穏やかなのに、嫌な感じは消えない。パットンは眉間に皺を寄せたまま、答える。 「流石はトーマ将軍のご子息。将来はトーマ将軍のような立派な武将になるのでしょう。先が楽しみですね」 最近ヒューバートは父親のトーマに少し反抗的だった。あまりにも父親が立派で、周りからステッセルが言ったようなことを幾度も聞かされ、次第に反発心が芽生えてきている。 それを知ってか知らずか、ステッセルはしゃあしゃあと言う。わざとか?とパットンは疑った。 「しかし、ご友人の剣の腕は歳からいって見事なものですが、皇子の方は如何なのですか?」 きた。 パットンは露骨に顔をしかめた。 「皇子は将来、皇帝の跡を継ぎ、この国に立つお方。ヘルマンの皇帝はまず武勇に優れた者。それが臣下に守られるほど剣の腕が立たないようでは話にもなりませんものね」 「……………っ!」 手を握り締めた。それは、暗に『弱い』と言われているようなものだった。 パットンはまだ幼い。これから伸びる可能性もある。だが、同じ歳のヒューバートは、すでにめきめきと剣の腕を上達させている。それが少し、今のパットンには負い目だった。どうして自分はうまくならないのだろうと、情けなく思う。 「まぁ、トーマ将軍の師事を仰いでおられるのですから、焦らずともお強くなるでしょう、きっと」 心の中を読んだかのように、ステッセルは笑顔で言う。腹立たしく思い、奥歯を噛み締めるが、パットンは耐えた。普段から、育ての親であり乳母であり姉であるハンティに注意されていたからだ。 「話はそれだけか。ヒューを待たせてあるから、俺は行くぞ」 睨むように胸を張り、パットンはステッセルに背を向けようとした。 「お強くなられませんと、立つ瀬がありませんものね、あのカラー殿も」 「っ!」 振り返る。にやりとステッセルが笑った。 「幼くして母親を失われた貴方様を、立派な皇帝にしようと育ててこられた。けれども武勇のない者では、いくらあのカラー殿が愛情を注がれようと、皇帝や民が認めますまい」 「何が言いたいんだ、ステッセル」 上から見下ろす視線にパットンは一歩踏み込んで真正面から捉える。二人の様子にただならぬものを感じて、遠巻きながら人が集まりつつあった。パットンはそれに気がついていない。ステッセルはむしろ、それをあおっているようにも見えた。 「いやいや、ちょっとした噂を耳にしましてね?」 「噂?」 もったいぶったように言う態度に、パットンは苛立つ。ステッセルはそんなパットンを見ながら、わざとらしく自分の胸に手を当てた。 「そう、カラー殿が実は、己がこの国を牛耳るため、貴方様の母君を手にかけ、貴方様を手中に収めたと」 「──────!!!!」 ばちん、と何かがパットンの中で外れた。むしろ、弾けた。次の瞬間にはパットンはステッセルの胸倉に掴みかかっていた。身の丈はステッセルの方が高いが、力では幼くともパットンの方が上だった。しかし、ステッセルは余裕を含めた笑みを消そうとはしない。轟然と、顎を上げるほどだった。 周りはパットンの行動ににわかに浮き足立ち、騒がしくなってきていた。人が増える。 「貴様!! 何の根拠があってそんなことを言う!!」 「だから噂と申しましたでしょう。私はそれを述べたまでです。しかし、考えてもみてください。黒髪のカラーと言えば伝説のカラー。その力は人間では到底到達できないレベル。その気になれば世を治めることも不可能ではないのでしょう。だと言うのに、彼女はその力を活かさず一議員に甘んじている。あまりにも不自然とは思いませんか」 「思わん!! ハンティは母上の親友だったんだ!! 母上に俺を頼まれて、ハンティは俺を育ててくれたんだ!! ありもしない野心のためなんかじゃない!!」 胸倉を掴んだまま、パットンは声を荒げる。周りは騒がしく、人によっては二人の会話など聞こえないだろう。傍から見ると、にこやかに話していたのに突然パットンがステッセルに掴みかかったとしか見えない。 「どうでしょう。何百年も生きているのですから、人を騙すなど雑作もないことでしょう。親友と言うのも、本当かどうか」 「きっ……さまぁ!!!!」 パットンが拳を振り上げる。ステッセルは流石に眉を寄せたが笑みは消していなかった。だが、振り上げたパットンの拳は、ステッセルの顔に繰り出されることはなかった。 「やめよ、パットン皇子」 「…………っ、レリューコフ!!」 腕を押さえていたのは見事な体躯を持った、ヘルマン第一軍将軍のレリューコフだった。 「落ち着きなさい、皇子ともあろう方が暴力を振るうのですか」 「離せ、レリューコフ! こいつは、ハンティと母上を侮辱したんだぞ!!」 「侮辱? 可能性を言ったまでですよ」 平然とした態度だった。パットンを抑えるレリューコフも鼻につく姿だった。 「……皇子、だからと言って暴力はいけません。他の者も見ておるのですぞ。……このままその拳をおろされては、やつめの思う壷です」 後半はパットンにしか聞こえないほどのささやきだった。しかしそれは、パットンを抑える。歯噛みをし、怒りに熱くなる頭を冷やそうと、ステッセルから視線を外し、手を離した。 「────実際、皇子の母君は謎の死を遂げている。確かに体の強い方ではなかったと聞きますが、病死にしては不自然だったのでしょう?」 「だから、どうした」 ステッセルの言わんとしていること。それは。 「ええ、ですから、あくまで私の、ただの想像です。貴方の母君は親友であるカラー殿の手によって────」 再び、今度はそれこそ間髪入れずに拳が飛び出した。 「皇子!!!」 だが、レリューコフの方が早かった。寸前でパットンの体を押さえ込む。ぶわ、と勢いでステッセルの髪がはためいた。 「離せ、離せ! レリューコフ!!」 「なりません! お怒りはごもっともですが、手を出してはなりません!! 皇子がこやつを殴ればそれは、皇子だけではなくハンティ殿の立場も悪くなる! 非がやつめにあろうと、手を出してはなりません!!」 「ぐっ……く、っそぉおおおおっ!!」 怒りと悔しさを声に出す。うなだれ、食い縛る。自分の大切な人たちが罵られたと言うのに、何もできない。パットンは歯痒くてたまらなかった。 「……ふっ、レリューコフ将軍も余計なことを」 「若造が、つけあがるなよ」 パットンから数歩離れ、乱れた胸元を直しながらステッセルは片頬だけを上げて皮肉に笑う。レリューコフはじっと見据えるように睨みつける。それはパットンのあからさまな怒りよりも圧力があり、ステッセルは小さく息を飲むが、悟られないように髪をかきあげる仕草をした。 「しょうがありません、皇子のご気分もすぐれないようですし、私はこれで退散いたしましょう。それではパットン皇子、失礼致します」 「………………っ」 「皇子、噂と言えどお気をつけなされますよう。気がついたとき、カラー殿の傀儡になってしまっては母君も浮かばれませんよ?」 「────きさ……っ!!!」 「皇子!」 最後の追い打ちと言わんばかりの言葉に目の前が赤くなる。しかし肩に置かれたレリューコフの大きく厚い手が、強く自分を押さえた。 「……っ、こ、の……っ!!!」 殴りたい。殴って二人に謝らせたい。だが、手を出したらステッセルの策にはまる。ハンティも悲しむだろう。あの凛々しく厳しく、優しいカラーは、己が蔑まれたことよりも自分と母親のことで悲しむだろう。 パットンは力として出せない怒りに飽和する。ステッセルに、何かをぶつけてやりたい。何か、何か、何か。 「───────この……ッ!」 大きく息を吸い込む。 「うらなりびょうたんしろしろ野郎────っ!!!」 「────────────」 パットンは城中に響き渡るほどの大声で、腹の底から叫んだ。あまりの声の大きさと、その台詞に、一同は呆然としている。レリューコフの腕を振り払い、パットンは口を引き結んで走り去った。それ以上いたら、本当にステッセルを殴りそうだったからである。 「………………」 「………………」 「………………」 パットンが去った後、その周囲は静まり返っていた。だが、 「………………うらなりびょうたん……」 「しろしろ野郎……」 誰かが呟いた。視線が、次第にステッセルに向く。当の言われたステッセルは、はっとそれに気がつき顔を引きつらせる。 「………………くっ、はっはっはっはっはっは!!!」 突然、レリューコフが豪快な笑い声を上げた。心の底からおかしいように、いっそ清々しい声だった。 「何とも、実に的を射た表現ではないか、さすが皇子、くっくっく」 「何が……っ!!」 今度はステッセルが怒る番だった。レリューコフの笑い声と台詞に、周りの者たちも口々に繰り返して、くすくすと笑い出す。その様に、ステッセルはかぁっと赤面した。完璧で将来を有望視されているはずの己が、つたない子供に悪口をぶつけられ、しかもそれを笑われているのだ。 「いやいや、怒るでないぞ。相手はまだ10を過ぎたばかりの子供だ。その子供が言った言葉に本気で怒っては、お前の名が廃ろう?」 「………………っ、フン!」 ステッセルは肩を怒らせ、大またでその場を立ち去る。レリューコフは笑いを収め、集まった者たちを持ち場へ戻るよう指示をした。 その後、かなりの者があのパットンの叫びを聞いていたので、ステッセルの前では言えないあだ名がこっそりと広まっていった。 ~蛇足~ そしてそれは当然、ハンティの耳にも入る。 「……まったく、アンタときたら……。いいかい、上に立つ者はね、下からそれこそ様々なことを言われるんだよ。それに一つ一つ腹を立ててたらもたないって言っているだろう? それを受け止めて、流せるくらいにならないと、皇帝は務まらないよ」 「でも!」 「でもじゃない」 「………………」 ハンティの前で正座をしてパットンはおとなしくしていたが、内心ふくれてもいた。ヒューバートと半ば憂さ晴らしのように稽古に励み、そのあとでのお説教だった。 うつむいて、納得のいかない顔をしているパットンを見下ろし、ハンティは苦笑する。しゃがみ込んで、視線を合わせた。 「けど、まぁ」 青い髪に手をのせる。 「……そんなに怒ってくれたのは、嬉しいよ。パットン」 「…………だって、当たり前じゃないか」 「それでもさ。有難うね」 「………………」 優しいハンティの笑みに、パットンは気恥ずかしくなってまたうつむいた。 「しっかし、『うらなりびょうたんしろしろ野郎』って、うまいこと言ったもんだねぇ。ぴったりだ」 「……いや、もうあん時は、無我夢中って言うか……とにかくアイツに何か言ってやりたかった気分でさ」 「だけどそのせいでこれからますますヤツの風当たりが酷くなるよ。アタシのことが言われても、なるべく受け流せるようにしななきゃ」 「うん」 「よし」 しっかりとうなずいたパットンの頭をハンティは掻き回すように撫ぜた。パットンは少ししてから、あんまり撫でるな、と嫌がるそぶりをするが、それをみてハンティはますます撫ぜた。 |
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国を逃れた時に負った傷も大分癒え、新しい戦法を確立し始めてから少し。ヒューバートとフリークとも合流し、さぁ、これからという時だった。
「おう、ハンティ、今起きたのか?」 「……そういうアンタは、何、走りこみに行ってきたの?」 小屋から出てきたハンティが見たのは、すでに汗をかきながらストレッチをしていたパットンだった。 元々パットンは体を鍛えることは嫌いではなかったが、しばらく酒びたりだった時期もあり、少し前までは怪我でベッド暮らしだった。おかげでかなり体がなまっており、自由都市のアトラクションで鍛え始めているとは言え、まだまだだ。故郷の国を取り戻すためにも強くなると、怪我が治ってからは毎日欠かさずトレーニングを続けている。 「ああ、最近はすっかりハンティより早起きになったよな、俺」 「そうだね。朝の走りこみも続いているし、ちょっと前までからは考えられないね?」 少し皮肉を言うと、パットンは眉を下げてばつが悪そうな顔をする。 「アハハ、そんな顔するんじゃないよ。さ、顔を洗っておいで。ヒューもフリークももう起きてるから、ご飯にしよう」 「おう、……っとと」 方向転換して水場へ行こうとしたパットンが、足をもつれさせた。 「どうしたの」 「いや、ちょっとバランス崩しただけだ」 そう言って普段と変わらぬ足取りで水場へ向かう。水場の方から後ろ髪を結んだヒューバートがタオルで顔を拭きつつやってきた。 「おう、パットン、早いな」 「まぁな。爺さんは?」 「中で飯作ってるよ。お前も顔洗ってこいよ────って、ん? お前、何か熱くないか?」 ぽんとパットンの二の腕を何気なく叩いたヒューバートが怪訝そうに声をだす。 「そりゃ走ってきたからなぁ」 「いや、そうじゃなくて……」 眉間に皺をよせ、ヒューバートは手をパットンの額に当てる。 「どうしたんだい?」 立ち止まっている二人に首をかしげながらハンティがやってきた。 「……お前、熱あるんじゃないか?」 「へ?」 「え?」 「絶対あるって、ほら、ハンティも触ってみろよ」 促されてハンティは少し背伸びをしてパットンの額に触れる。うつむきがちになったパットンはそれを黙って受ける。ひんやりとした指先が心地よい。 「……うそ、やだ、本当にある」 「えぇ? ……でも何ともないぜ?」 手の平に伝わってきた熱さに目を見張るハンティにパットンは己の頭を抑えて首をひねった。 「何ともなくはないでしょ、結構高いよ、これ。……もしかしてさっきバランス崩したのって、熱でふらついてたんじゃないの?」 「そんなことねぇって! さっきのは本当にバランスを崩しただけ……っておい!」 パットンのがっしと両腕をハンティとヒューバートは掴んだ。 「とにかくベッドに放り込むよ」 「おう」 「おいこら本人の意思を聞かずに何すんだよ! 何ともねぇって、離せって、おーい!!」 叫ぶパットンに目もくれず、二人はその巨体を引きずって小屋へと戻って行った。 結果。 「まさかアンタが熱だすなんてねぇ……」 「………………」 「なんとかは風邪引かないって聞いたことあるぜ」 「………………」 「しかし、夏には引く、とかいう話も聞いたことはあるぞ」 「………………あのなぁ」 二人が判断したとおり、パットンは熱を出していた。しかも普通の人からすればかなりの高熱だ。しかし、本人は至って元気で走り回っていた。今は無理矢理寝かしつけられてつまらなさそうにしている。 「これくらいの熱、むしろ動き回っていた方が早く引くって」 「甘く見るんじゃないよ。そういうのが悪化することもあるんだからね」 「そーそー。今日は大人しくハンティの言うこと聞いて寝てろよ」 「うむ。何か消化のよいものを作ってきてやるからの。まっとるがええ。……しかし、お前さんが熱だすとはのう。珍しいこともあるもんじゃ」 「うるせー」 3人に揃って行動を抑えられ、流石に動き出すことは出来ない。実際、何ともないのではあるが、少しぼんやりするかな、という意識はパットンもあった。 「んじゃ、ハンティ、こいつのこと頼むな。他のことはこっちでやっとくからよ」 「うん、お願いするよ。誰か見張ってないと、ベッドから抜け出すだろうしね、パットンは」 パットンは目をそらせる。言い返す言葉もないようだ。 「それじゃあな、パットン。ゆっくり寝とけ。最近オーバーワークだったんだよ、だからツケが回ってきたんだぜ、きっと」 「今日一日、せめて半日は大人しく寝るんじゃぞ。ハンティに迷惑かけんようにな」 口々に好き勝手に言い捨てて、ヒューバートとフリークは部屋を出て行った。憮然とするパットンと、くすくすと笑うハンティだけが残される。 「さ、いい子だから、これ以上熱が上がらないうちに寝な」 「子ども扱いするなよなー……」 「病気で大人しく寝ることができないようじゃ、子ども扱いするなって言うほうが無理だよ」 「………………」 パットンはそのままベッドへ潜り込んだ。上掛けをハンティは肩までかけてやる。 「子守唄でも歌ってあげようか?」 「……いらねぇよ」 そう言うと、視界を遮るように上掛けを頭まですっぽりと被ってしまう。蓑虫のように包まったパットンに笑いをこぼしながら、ハンティは立ち上がった。 「あんまり傍にいたら寝付けないだろ? ちょっと水を持ってくるよ。熱さましに薬も貰ってくるから、起きたら飲むんだよ」 パットンに声を投げかけて、そっとハンティは部屋を出た。 「………………」 上掛けをめくり、パットンは顔を出す。 「………………ちぇ」 面白くなさそうにしつつ、目を瞑ると、一つ大きく深呼吸をした。 「………………」 少しだけ、複雑だった。 パットンのことなら何でも分かると思っていただけに、熱があると言うことに、ヒューバートに言われるまで気がつけなかった。確かにあの時は普段と変わらず、熱がある者特有の気だるさやぼんやりとした態度は微塵もなかった。それで気がつけ、という方が難しいだろうけれど、ハンティは複雑だった。 「……早く戻らないと、パットンの奴、本当に抜け出すかもね」 誰に言うでもなくひとりごちて、ハンティは水場へと向かった。 寝つきはいい方だから、もしかしたら寝ているかもしれないと、ハンティはそっと部屋のドアを開けた。見れば蓑虫だったはずのパットンは顔を出し、片腕は出しているものの、上掛けをかけて大人しく眠っていた。 「………………」 その姿に笑みを浮かべ、サイドテーブルに水差しとコップと薬を置く。椅子を持ってきて傍に腰掛けた。そっと額に手を当ててみるとやはり熱い。心なしか、先程よりも高くなっている気もする。ハンティは起こさないように、そっと上掛けを掛け直してやった。 「む……」 唸って眉を寄せ、パットンは横向きになった。やはり少し寒いのか、無意識に上掛けを引っ張っている。 「……もう一枚あった方がいかな」 ハンティは取り合えず隣のベッドから上掛けを引き剥がし、それもかけてやる。 「まったく、だから大人しく寝てなって言ったんだよ」 囁きかけるように呟くと、またパットンが低く唸った。抗議されているようにも聞こえて、もしかしたら夢でも見ているのだろうか。その夢の中でも、自分に怒られていたりするのだろうか、とハンティは苦笑した。 傍に座りなおし、パットンの顔にかかる髪をはらってやる。少し硬めの髪は、さりり、と僅かに硬質な音がするような気もする。 「………………」 思い返せば確かにパットンが熱を出すのは珍しい。怪我を負った時は、その傷のせいで熱を出したこともあったけれど、今回のように、特に何の怪我もしていない場合はあまりない。 本当に赤ん坊の頃は、丈夫というほどではなかったが、今は十分すぎるほど丈夫に育った。それは有難い。有難いが、逆に今回のように熱を出すと、もしかしたら慣れていないせいで耐性がないかもしれない。もっとも、慣れるほど、熱を出され続けても困りものだけれど。 「ー………………」 何か口の中でもごもごと言っているようだ。顔を寄せるが言葉にならないようで耳に届かない。 間近で寝顔を見るのは少し前まであったけれど、最近はない。それはそうだ。看病もしていないし、一緒の部屋で寝てもいない。 ……一緒のベッドで寝たのも数えるしかない。本当に小さい頃に、数回。普段から厳しくしつけていたので、パットンは早いうちに一人で寝れるようになっていた。それに男だから、乳母とは言え、気恥ずかしいのもあったのだろう。けれど、それでも物心も付かぬ頃は寂しい思いもあったのか、一緒に寝てもいいかと言ってきたこともあった。 「それがまぁ、こんなに大きくなって」 比較的規則正しい呼吸に安心しながら、ハンティはベッドにひじをつく。腕を置いてそこに頭を乗せた。顔が近い。 「……気配で気がつきそうなもんだけど」 起きてほしいわけではないが、戦う者としてどうだろうとも考えてしまい、苦笑する。こんな時くらいは、いいのではなか。 「悩みなさそうな顔して、ねぇ……」 実際はそうではないだろうと知っているけれど、邪気のない顔にハンティはそうこぼさずにはいられなかった。 「ハンティ、ハンティ? ちょっくら入るぞい。パットンの飯の用意ができたぞ」 ドアをノックして、返事がないことにいぶかしみつつ、フリークはドアを開けた。 「………………こりゃ、また」 思わず笑いをこぼした。 「フリーク、どうした?」 後ろからやってきたヒューバートが同じようにドアから顔をのぞかせた。 「………………おー、ほうほうほう」 にやにやと嬉しそうであり、かつ意地の悪そうなものを含んだ笑みを浮かべる。 「………………」 「………………」 パットンの寝顔を見ていたハンティは、そのままベッドに伏せて、一緒に眠ってしまっていた。 「まぁ、ハンティも最近頑張ってるからなー」 「それに眠気というのは人を引き込むものもあるそうじゃからのう。いやしかし、二人とも起きたらどんな反応をするやら」 「中途半端なことしないで一緒に寝ちまえばいいのによ」 「それが出来れば苦労はせんわい。片方は朴念仁、片方は意地が強いしのう」 しみじみと頷きつつ首を振りながら言う。ため息も漏れそうだ。 「取り合えずこのままにしとくか」 「そうじゃな。ワシ等は先に飯を食べるとするか」 「ハンティのは後でアイツのと一緒に持っていこうぜ」 そう言って二人は部屋を出て、静かにドアを閉める。 「………………」 「………………」 部屋の中の二人は未だ静かに眠っている。二人が目を覚ますまで、もう少し。 「………………む……」 目を開けると、すぐ前に黒髪が広がっていた。ぼんやりとした思考のまま、視線を流すと、白い柔らかそうな肌が視界に入ってくる。 「……あー……?」 まとまらない頭で考えながら、それはハンティだとパットンは気がついた。でもなんで目の前で寝ているのか。普段なら、そこでぎょっとして飛び起きるものだが、やはり熱はあって、パットンの健康を阻害していたらしい。どうにも頭が働かず、そのため考えることが億劫になっていた。目の前で、ハンティが眠っている。ただ、それだけがパットンの頭にすんなり入っている。それがどういう状況なのかは判断しきれていない、ある意味幸せな状態かもしれなかった。 「………………」 ふわふわしているな、とか、柔らかそうだな、とか、色が白いな、とか視覚的に入ってくる情報だけしか判断していないパットンに小さくくしゃみが聞こえた。ハンティが肩を震わせる。 「………………」 パットンはもぞもぞと動くと、自分にかかっていた上掛けの一枚を、ハンティにかけようとする。しかし、どこかが引っ掛かってうまくいかない。だんだん苛立ってくる。 「………………………」 パットンはハンティに顔を近づける。 「……おい、ハンティ、寒いんなら中に入れよ」 「ん………」 「………ハンティ」 もう一度呼ぶと、寝ぼけ眼のハンティと目が合う。 「……何だい、パットン……」 「だから……中に……」 「……一人じゃ寝れないのかい? ……まったく、そんな大きな体して子供みたいなんだから……」 そう呟き、パットンが何か言いかけていると、ハンティはのそりと体を起こし、自分からベッドに潜り込んだ。パットンの方はといえば、ようやく、この状況が何やら問題があるのではないかと思い始める。が、何が問題なのかまではたどりつけない。 「……ほら、熱があるんだろ。寝なくちゃ駄目じゃないか……」 考えているパットンの頭に腕を回し、ハンティが無理矢理ベッドへ寝かせる。そして、普段が大人しくしていないせいなのか、自分の胸元に抱え込むようにすると、ぽんぽんと軽く背中を叩いてから優しく撫ぜてやった。 「もう少し寝てな、後で起こしてあげるから……」 「………………ん……」 そう言いながらも先に聞こえた寝息に、パットンもあっさりと意識を手放す。暖かいし心地がいいし、何より眠い。このまま眠ってしまってもハンティが起こしてくれるから大丈夫だと、安心して眠りに落ちた。 もう少し考えていたら、色々分かったはずだが、二人は睡魔に勝てずに、そのまま一緒に眠ってしまった。気持ち良さそうに。 「………………ふ……あ……?」 ハンティは目を覚ました。ゆっくりと覚醒する。しばらくぼんやりとしていたが、まず先に何で寝ているのか、という疑問が頭を通過したため、それについて考えることにした。 確か、自分はパットンの看病をしていたはずである。 途中、水を取りに席を立ち、その後はずっとそばでパットンを見ていた。 「……あの時……かな?」 パットンを見ていた後半の意識がない。どうやら自分は眠ってしまっていたらしい、ということに気がついた。それから寝ているのはベッドらしいということにも。何故ベッドに、コレは何処のベッドなのか。 「………………」 眉を寄せる。おかしい。何かがおかしい。 と、 「むぅ……」 自分の胸元から声が聞こえた。そうだ、視界の下側に青い髪の毛が先ほどから見えていたのだ。コレはずっと見続けてきたパットンの髪。でもそれがどうして、自分の胸元あたりにいるのだろうか? ハンティはじょじょに思考を取り戻して行く。 つまり、それは。 「……あー……ハンティ、起きたのか……? わりぃ、俺はもう少し……」 パットンは一つあくびをすると、目の前の柔らかい胸に頬を寄せた。 その姿に思わず頭を撫でそうになるが、ハンティはようやく先ほどからパットンがたどりつけていなかった答えにたどり着く。 ようするに、一緒のベッドで、二人抱き合う形で眠っていたわけで。 「ぱっ………ばっ………」 声にも言葉にもならない。ただ顔が真っ赤に染まっていく。 「………………ん……?」 小刻みに震える様子に、再び眠りに入ろうとしていたパットンも頭が働き出したようである。顔をあげ、ハンティと目を再びあわせた。 「……あ……? え、ハンティ……? 何で一緒に…………って………………」 言いながらパットンも状況が飲み込めてきて、顔が赤くなっていく。 「………………こ、の……っ!!!」 ハンティが手を上げた。 どぉおん!!というけたたましい音が小屋を揺らす。 「な、何だァ?!」 「こりゃ、ハンティの奴、目が覚めたようじゃの」 「はー、でもだからって雷落とすかぁ? ……何かあったのかな 「行ってみるとするか」 「おう」 「ちょ、待て、待てって!! 俺は何にもしらねぇぞ!」 「そんなわけないでしょ!」 「いや真面目に落ち着け、だいたい俺、病人だぞ、寝ろって言ってたのハンティじゃねぇか!」 「そうだけど! でも何かなかったらどうしてあたしとアンタが一緒に寝てるのさ!」 「え」 「なんと」 パットン以外に聞こえた声に、ヒステリー気味に怒っていたハンティの動きがぴたりと止まった。後ろを振り向くと、ヒューバートとフリークがドアを開けてこちらを伺っていた。 「ヒュー、爺さん」 ベッドから既に転げ落ちているパットンは、助けを求めるように二人を見る。が、二人は実に興味深くパットンとハンティを見ていた。 「……いやはや、これはこれは」 「俺達がさっき見に来たときはこんなことにはなってなかったのになぁ」 「お邪魔してしまったかの、お暇しようか」 「だな。あ、俺達しばらくこねぇから、続きやってていいぜ」 ひらひらと手を振り、ヒューバートは実にさらりととんでもない事を言う。 「ちょ、ちょっと待て!! ヒュー、お前カン違いしてるぞ!!」 「いやいやいやいや、お前だって男だしな、むしろようやくだよな、うん」 「あのなぁ!!」 「今日は一日二人でゆっくりしとるがええ。うん」 「フリーク!!」 「それじゃあなー」 ドアが閉まり、取り残される二人。 「………………」 「………………」 気まずい沈黙が流れる。何か言おうにも、何も言い出せない。とりあえずお互い、どうしてこんな状況になったのか必死で考えることにした。 「………………あ」 先に声を上げたのはパットンだ。 そういえば途中、目が覚めて、目の前にハンティが寝ていたような。今のように一緒のベッドにではなく。それで、寒いんじゃないかと、上掛けをかけようとして出来ず、それから……。 「……そうだ、そうだよ、お前がベッドに入ってきたんじゃねぇか!」 「なっ! 何言ってるんだい! そんなこと……っ?!」 否定しようと声を荒げるが、はたと気がついた。なんだか眠る前に幼い頃のパットンを思い出していたせいか、自分に声をかけるパットンが、あの頃を彷彿させて、つい、子ども扱いしてしまったような気がする。その時どういう行動をとったのか曖昧だが、もしかして。 「………………あ、あたしのせい?」 「いや、ハンティのせいっつーか、なんつーか……まぁ、……なぁ」 何と返事をしていいのやら分からず誤魔化すように頭をかく。同じベッドの上にいるものの、特に衣服の乱れはないし、ただ眠っていただけなのはわかる。……少し残念な気がしないでもない、とパットンはこっそり思うが。 「……あ、そうだ、アンタ、熱は?」 「え? あー……大分ひいたか、な?」 「どれ、ちょっとかしな」 赤くなりながらも額に手を当てて確かめる。熱は起きていたときよりは大分引いている。 「……うん、そうだね。でもすぐにぶり返すかもしれないから、やっぱり今日は寝ときな」 「うぇえ」 「そんな声出しても駄目だよ。……水飲むかい?」 「……おう」 ハンティはベッドから降り、コップに水を注ぐ。それを受け取り、パットンは一気にあおった。少し温めの水だが、逆にゆっくりと滲みこんでいくようでもあった。そのおかげか、急に空腹感を激しく覚えてしまう。 「……腹減った」 「……ああ、そういや、朝から何にも食べてないんだったね。ん、待ってな、持ってきてあげるから」 「いいよ、食べにいく」 「いいから寝てな」 びしりと指を指され、パットンはしぶしぶそれに従う。 ……普段どおりのやりとりだ。先ほどのぎこちなさは解消されたようだ。 「ご飯食べたら薬飲んで、また寝るんだよ」 「ん、分かってるよ。………………ハンティ」 「なんだい」 ドアノブに手を掛けたまま、ハンティがパットンを見る。パットンはそっぽを向いて視線を合わせない。 「……眠れなかったら、また、その、……してくれんのか?」 その台詞に、ハンティは白い肌を赤く染める。 「あれは……っ、何言ってるのさ、まったく……。 ………………………………まぁ、またアンタが、子どもの時みたいに、眠れない、って言うんなら、ね」 「………………子ども扱い、すんなよ」 沈黙が降りる。その横顔は確かに子供のそれには見えない。けれども。 「……したくて、してるわけじゃないけどね」 「え?」 「大人しく寝てるんだよ、パットン」 一つ笑みをこぼして、呆気にとられているパットンを残しハンティはドアを閉めた。 「……まったく、昔から本当に、油断できないんだよね」 その呟きは誰にも聞かれることはなかった。 ----------------------------------------- 蛇足なっがああああ |
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「父上」
焦げ茶の長い髪を後ろで一つにくくった少年が、一人の男を呼び止める。男は眼光鋭い視線を少年に向けた。 「ジンヴァ」 それが少年の今の名だった。幼い頃は別の名前だったが、皇位につく際にその名を親から与えられた。 少年の名はジンヴァ。第三代目シンバ帝国皇帝である。 「父上、以前から聞こうと思っていたのですが」 「何だ」 そして彼の父親は、シンバ帝国にこの人ありと謳われた帝国軍総司令官、そしてこの国の宰相でもあるアフランだった。少年よりもやや明るめの茶の髪と、見事な髭を蓄えている豪傑だ。 周りに人はいない。だから皇帝である少年も、今はその父親の息子の姿を見せる。 「初代皇帝のシンバ様とは、どのような方だったのでしょうか」 少年は利発だった。だがアフランから見れば、優しすぎた。己と同じように戦場に立ち、武器を取り、軍を指揮し、多くの兵を死なせる立場にはかなり無理があるだろう。 「今更そんなことを聞くのか? 幾度も話したはずであるし、お前もさまざまな書物や、かつてのあの方の配下の者から話は聞いているだろう」 「はい。ですが、改めて、私は父の言葉を聞きたいのです」 「………………」 「新生ムロマチ軍の君主であったシンバ様。その方に仕えていたアフラン将軍ではなく、私の父としてのあなたの言葉を」 少年は優しすぎた。だが、それは気が弱いというわけではない。強く前に出ることはないが、揺らぎのない芯を持っていた。少年は、自分よりも上背のあるアフランを物怖じもせず見上げている。 「……父上は一度、シンバ様に反旗を翻したと伺いました。他の武将の方からも、父上はシンバ様よりソルティ様に仕えていたと聞き及んでおります。ですが、私に、あの方よりいただいた名をつけてくださった。それはどういう意味なのか、知りたいと思ったのです」 「……それで、シンバ皇帝の話を、か」 「はい」 シンバにもソルティにも跡継ぎがいなかった。帝国には中心が必要だった。帝国で皇帝の次に力を持っていた三人のうちの一人だったアフランは、周囲の反対も押さえ込み、半ば無理矢理、己の息子を皇帝の座につかせた。 周囲は言った、アフランは己の息子を傀儡として帝国を乗っ取ったのだと。 「………………」 アフランの息子である少年は、シンバから幼名をもらった。 ちょうどアフランがシンバの臣下になった頃に生まれたのだ。シンバはまだそこまで親しくもなかったアフランの子供が生まれたと聞いて、祝いに駆けつけた。突然の訪問、唖然としているアフランをよそに、シンバは我がことのように喜んでいた。不思議だった。そこまで親しくもない臣下の子供を抱き上げてどうしてそこまで喜べるのか。ただの君主として、人心を掴もうとする行動か。考えたが、幼子のように無邪気に笑う君主からは、そんな後ろ暗いものなど一切感じられなかった。だからか、するりと、『名をつけていただけますか』と言葉が出た。 シンバは驚いたが、本当に自分がつけていいのかと問いかけて、それに応えるとまたたまらなく嬉しそうに笑った。こちらもつられて笑ってしまうような、そんな笑顔だった。一緒にいた、冷徹と知られる軍師が、酷く柔らかな笑顔を浮かべているのを見たのもそのときだった。 「……シンバ皇帝は、よく言われるように、優しい方だった」 その関係もあって、アフランは息子を皇帝につかせることができた。己が皇位につくよりもまだ容易だった。未だ息子も、己には大きすぎる座だと言っているが、その大きさを知っているが故、かつてその場に佇んでいた彼らに敬意を払うように立派に振舞っていた。今のところ、さしたる問題はない。 「初めてお目にかかったときは既に立派な君主だったと言うのに、どこか幼いところがあって、兵士や民たちとも気さくに関わっていた。どこまでもまっすぐで、『自然を守る』のだという志を本気でなそうとしていた方だった」 「………………」 「私は、あまりにも愚直すぎる、と思った」 不敬と取られるであろう言葉だが、アフランは躊躇いもせずに言う。褒め称えるだけが臣下ではない。 「その愚直さは、あの戦乱の世においてまさに夢物語だとも思った。甘い戯言で乱世を生き抜けるはずもない。……だが、あの方は生き抜いていた。傍にいたソルティ帝の力もあっただろう。大蛇丸殿やヒロ殿といった英傑たちも集っていた。生き抜いたのは彼らのおかげだと言う言葉もあるが、その彼らが好んで支えようとしたのがあの方だ。それぞれ、大陸の覇者ともなれる器がありながら、だのにあの方を支えた。……私は不思議でしょうがなかった」 シンバ帝の口から発せられる言葉はほとんどが夢のようなものばかりだった。現実を知っていれば鼻で笑われてしまう。だと言うのに、その乱世の現実を知っているあの英傑たちは彼の元に集った。 「何故、この方に、と思った。当時の私は、確かにシンバ帝よりもソルティ帝に仕えている気分だった」 「それは父上にとって、ソルティ帝の方が、シンバ帝よりも主としてふさわしい、と思われていたのですか?」 「………………そうだな。だが……」 「だが?」 「だがそれは、『私の主として』であっただろうと今は思う」 少年は目を瞬かせて少し首をかしげた。 「私自身にはソルティ帝の考え方や行動の方が理解できたのだ。だからこそ、仕えようと思った。自分をうまく使ってくれるだろうと感じたからだ。むろん、シンバ帝も私を信用してくれていた。だが、私にはシンバ帝が分からなかった。初めは誰でも理想や夢を描くものだ。だが、何年も戦場にいれば、それらは失われ、代わりに私利私欲が浮き出してくる。……ふっ、まさに今の私がそうか?」 「父上」 嘲るような物言いに、少年は咎めるように、半ば心配するように声をかける。 「……だがな、あの方はそれがなかった。最後の最期まで、そう、それこそ、大陸を統一し、冥界王を退けるまで、その夢と理想を語り続けていた」 己の命を削りながら牙獣の力を駆使し、どこまでも甘く、どこまでも愚かで、どこまでも真っ直ぐにその拳を振るい続けた。 「……空恐ろしいとすら思った。理解などできなかった。親しい血筋の者相手ですら、完全に理解などできることもないのに、あの方を理解しようなどとおこがましいのかもしれん。だが、それでもいくらかかみ合うところはあるものだろう。だが、私にはあの方に想いにふれることすら叶わんかった。しかし──────」 アフランは大きく取られた窓から空を見上げる。真っ青な空だ。どこまでも抜けるような。掴み所のない、まるで彼のような。 「同時に、酷く憧れていたのだ、私は」 「………………」 「愚かだと、甘いのだと思いながら、あの方を私は間違いなく敬愛していた。私よりも小さな体で、牙獣に蝕まれながらそれをおくびにも見せず前を見据えていた。あの背中は誰よりも大きく見えた。……強かった。何者よりも強かった」 それなのに、振り返って見せるその笑顔は最後まで優しくあった。凄惨な顔をするときもあった。怒りをあらわにしたときも合った。悲しみにくれるときもあった。ただ、憎しみの表情だけは、見たことがなかった。 「……戦争が終わった世の中を、彼の人に託されたこの大陸をまとめようと尽力した。けれど私は私だ。どんなにあの方に憧れようともあの方にはなれん。……今の帝国を見れば一目瞭然だ。だが、後悔はない」 力で抑え、排除する者は容赦なく排除し、帝国を豊かにするため、各地の領土を厳しく締め上げもした。それもこれも、帝国を帝国とするがため。自分には自分のやり方があった。 「……だが、今でも私はあの方を敬愛している。……それが、お前にあの方の名前をつけた理由だ」 「………………」 少年の優しさと芯の強さは、どこか彼を思い出させる。もちろん、彼には遠く及ばない。自分の息子でも、甘く判断はしない。しかし、やはり甘いのだろう。彼に似た優しさを持つ皇帝と、それを支える己。それはかつて、己が仕えたあの君主と軍師のようではないのだろうかと。 「ジンヴァよ、その名を汚すな。押し潰されることも許さん。己が足で立ち、世界を統べてみせよ」 少年は息を呑む。目の前にいる父親は既に父親ではなく、この国の宰相でもなかった。かつて新生ムロマチ軍に仕えていた一人の武人だった。 「……はい。アフラン将軍」 気圧されぬよう、若き皇帝は顔をあげる。意志を秘めた瞳。まだ力強くはないが期待を覚える色だった。 ──────しかし、この数年後、第三代目皇帝ジンヴァは暗殺される。混迷を極めた帝国は瓦解し、再び戦乱が世の中を覆い尽くすこととなった──────。 シンバは様々な想いを胸の内にしまいこんでいたような気もします。 一番の親友にすら、そんな想いを吐露していかなかった。むしろ、同じように抱え込んでいた親友の想いを受け止めていた。 黒くそまる右手と削られる命を覚えながら『甘いこと』を言い続けた少年。 |
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OP
趙雲さんが人間じゃないことを知るムービーでした。 いくらなんでも人間離れしすぎだろアレは……。 ■その1:趙雲伝 例によって例の如く、友達のリクエストです。 初めてプレイした時は、そのプレイキャラが喋るとは思わず、いきなりのことに爆笑してしまいましたが。それにしても趙雲は袁紹のとこにいたのね。 虎牢関ではまだ弱いのに呂布さんを出現させてしまって逃げ惑う羽目に。呂布さんに罵られるがクリア優先なので知ったこっちゃ無い。 長坂では阿斗を抱いて走る趙雲さんに思わず吹き出す。阿斗が何か怖いよ。張飛の仁王立ちが格好ええ。 成都ではホウ統さんを死なせてしまうことに……orz 揚任に近づかせなきゃ大丈夫だろうと思って位置を確認していたんだけれども、いつの間にか伏兵が出てて討たれてしまいました。ごめんよホウ統さんorz 夷陵の戦いは、蜀の場合、無双2でやたらと呉に苦しめられたのですが(と言うか鬼の呂蒙さんにな……)今回は結構簡単だったので逆に拍子抜け。 エンディングは阿斗様(劉禅)と一緒でした。いつまでも阿斗様と呼ぶ趙雲。お父さんよりお父さんだよなぁ。 ■その2:星彩伝 友達のリクエストその2。何でかって言うと彼女は趙雲の教え子だから。趙雲さんが出るイベントが見たかったらしい。 私も父親(張飛)とのイベントを見たかったのでプレイ。使いづらいらしいよーと友達が言っていたのですが、案外やりやすかった。しかしもうちょい布地の多い戦いにむいた格好しようよ。てか服については止めなかったのか親父。 成都では今度は無事にホウ統さんを死なせずにすみましたが、劉備のことは後ろから蹴りたくなりました。いやまぁ、自分たちが天下を取るため、寄って立つ土地の蜀を取るために同族の劉表を倒すのだから、ためらいあるの分かるけど。 劉備「私は……戦えぬ……」 戦えよ!!(友達と一緒に裏手ツッコミ 定軍山では関平に心配されて、自分の後ろに!とか言われるけどすげなく断る星彩。感情を表に出さない娘さんですが、言葉が少ないせいで色々と誤解されそうですね。親父の死についてはもうちょっと何か反応してほしいんですけど。 白帝城では劉禅とのイベント見るために星彩のHPを削りました。心配して追っかけてくる劉禅に愛。しかしそのために気が付いたら周りの仲間が次々とやられて敗走しだしておりましたが。 必死に劉禅を守りつつ(劉禅も頑張って戦っていました)何とかクリア。やはり呉は怖い。 エンディングでは劉禅が守るもののために強くなろうと星彩と頑張っておりましたが、尻餅ついて股座からのアングルってのはどうなんだ。 ■その3:尚香伝 おっ、お父ちゃーん!!(;´Д`) 初っ端からやられて敗走するお父ちゃん。しかもそれでお亡くなりにorz 助けても亡くなるっぽいのが切ない。策兄さんも亡くなるし。 赤壁逃亡戦では劉備と初のご対面。周りそっちのけで良い雰囲気でした。というか気さくな尚香に何だか照れている劉備。いいぞもっとや(略 そして嫁ぐことになったけれど、しばらくして呼び戻されることに…うーん、どうせなら、蜀軍で戦う尚香を見てみたかった…。合肥は取り合えず張遼怖い。特に一回目。遼来来!! 南蛮戦はこれまた無双2よりずっと楽でした。というかあれだ、蜀軍じゃないからだよ。7回倒さなくていいからだ。 最後は夷稜。劉備と敵対し、孫家の娘として戦うことを選んだわけですが……切ないorz 対峙したとき、嘆く尚香に思わず手を差し伸べる劉備と、それを振り払う尚香。本当、政略結婚だってのは分かっているけどさ!!あーもーどこかが天下統一じゃなくて天下三分で治まってたらなああああああ! エンディング、劉備の最期は尚香に看取られて、どこか穏やかだった…。劉備の亡骸を前に、劉備の分も生き抜くことを誓うわけですが。何だか、この後、孫権にいい相手を紹介されて結婚をすすめられてもしなさそうな気がしてならん。いや逆に、ちゃんと幸せになる、と結婚するかなぁ。でもどっかこっかで劉備を思い出したりしそうで。そうなると苦しいかと。 ■その4:夏侯惇伝 噂で聞いていたが、孟徳孟徳うるさいわ。 曹操が関羽さんを欲しがっているといらいらしている姿ははっきり言って嫉妬している風にしか見えんよ惇兄。腐な視線じゃなくてもそう見えるわ。と言うかたまには惇兄惇兄と慕っている従弟のこと思い出してあげてください。淵さんが不憫だ。夏侯惇が撃破数をあげると『さすが惇兄だぜ!』と言ってくれる淵さんにときめきまくりですよ。こんないい従弟いるのに惇兄って人は! 下ヒでは呂布さん陣営にちゃんと陳宮がいて喜びました。最初は武将欄に名前が無くてがっかりしてたのですが、呂布さんの護衛武将にちゃんといた。そしてここでは惇兄片目を失うイベント。すでに眼帯してるじゃないかと言うツッコミはしてはいけないのですね。 官渡や千里行での惇兄さんと関羽さんのイベントは、敵になって曹操を脅かす存在になるやもという危惧からですが、何だか、別な視点で見ると、子供(曹操)の心配をするお母さんにも見えてくる…。 最後は関羽さんとの対決なわけですが、武人として戦って勝つ、と言うイベントは良かった。またここで孟徳孟徳うるさく言われてもうんざりするところでしたよ。 エンディングは、戦いは続くが、惇兄の戦いは、関羽さんを倒したことで終わった……てのが。意外とあっさりだ……。とは言え、史実でも関羽さんが亡くなった後、程なくして曹操も亡くなって、惇兄も亡くなりますしのう…。 ■その5:夏侯淵伝 この人の、努めて明るく言う喋り方が好きです。 で、たまに素に戻って真面目な声になるときが凄く格好いいんだ…。 曹夏侯従弟ズの中で一番年下なんですが、仁さんと並んで大人な気がします。ムードメーカー。癒し系。 下ヒでは貂蝉さんと対峙したときの反応が可愛い。女相手にするのは~と言うのは良くある台詞ですが、すみません、しっかり手加減せずに撃破しました。だって淵さんも台詞の後、気を抜かずきちんと構えていたんですもの。 官渡では張コウさんとのイベントが凄くいい!強くて面白いやつが曹操は好きだからってんで張コウさんを勧誘するわけですが、物凄く気さくに『こっちこねぇか?』って!でもその後、受け入れる張コウさんが蝶をぶわっと飛び立たせる効果を見せたとき、思わずちょっと後悔。妙すぎるかもしれない……と一抹の不安。言動がコミカルでいいなぁこの二人は。 そして定軍山。黄忠の爺様と弓の勝負と言うか牽制し合う訳ですが、ここで『やるじぇねぇか』と、真面目な声になるのがいい。格好いいよ淵さん。でもすぐにいつもの明るい口調に。 しかし定軍山は結構辛いですね、最初は黄忠の爺様に突っ込んでいったら、タコ殴りにされましたよ。プレイしなおして、ゆっくり攻略しましたが。黄忠の爺様との舌戦もいい。『爺さんには縁側が似合うんだよ!』とかね。ていうか、縁側って。その時代の中国でもそういう定番あったのかと言うツッコミはなしか。 張コウさんと本拠地守りつつ耐えていると曹操が援軍で到着。劉備さんを倒しにいくわけですが、この劉備さんが鬼でした。怖い、めっちゃ怖い!何だあの強さ!!あやうく倒されるとこでしたよ!黄忠の爺様のときは、他の武将が4人くらい来たのでタコ殴りでしたが、劉備さんは一人でタコ殴りしてくださいました。ガードする前に次の攻撃くるんだもの…。 エンディングは、張コウさんと一緒に狩りに出かけてました。平和な世の中になっても弓は置かないのですね、と言う張コウさんに、自分が弓を置いたら死んだ弓使いの奴らに合わす顔が無いと。でも淵さんだと、戦が終わっても、平和に膿む、ということはなさそうです。 |
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