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※ネタバレ。
漫画に登場していないキャラが出ます。
ユーリア姫と冴香さんのお話。

ギャグです。
特に冴香さんファンの方にはごめんなさい。





 「殿下」
 「なんだサエカ。神妙な顔をして」
 「私と殿下は畏れながらも直衛様の個人副官として側に立たせていただいております」
 「そうだな」
 「私は殿下がとても羨ましく思えます。私の知らない直衛様を知っておられます」
 「……そうだな。でも、それはお前もではないか?」
 「はい。ですが、私は最近、気がついたのです」
 「なんだ」
 「私や殿下以上に、直衛様を知る人物がいることを」
 「………………ナオエの姉のことか」
 「はい、殿下。いいえ。蓮乃様も確かに、ほんの幼少みぎりの直衛様を知る方で、もっとも長い時間、あの方の心に住まう方ではあります。それはとても、いいえ、実に大変すさまじく羨ましいのですが
 「……正直だな、サエカ」
 「大殿様や若殿様も蓮乃様に負けず幼少の直衛様を知り、かつ、女性では踏み込みにくい遊びを教えたそうで、それもまた憎らしいのですが
 「……素直だな、サエカ」
 「お聞き下さい。そして直衛様のご友人の皆様は、直衛様が駒城家には見せない一面や直衛様の学生時代も知り、かつ、直衛様が進んで巻き込んでゆくという実に特異な立場にもおられ、それもまた妬ましいのですが
 「……どうしたんだサエカ」
 「お聞き下さい。確かに皆様、どなた様もが他の知らぬ直衛様を知っておられます。が、蓮乃様は直衛様が幼年学校に行くまでの間しか、親しく側にはおられませんでした。それ以降は、軍人としての直衛様の仕事があり、あまり駒城の家には帰っておられなかったそうです。(それ以外にも新城の個人的な理由があるが)
 大殿様や若殿様も同じで、ですが軍人としては上官にあられます。けれど、階級が違いすぎますし、お二方とも公私混同はあまり好まれません。ですから、軍にいても顔をあわせることは少なかったそうです。
 ご友人の皆様はその幼年学校からのお付き合いですが、直衛様以外は早々に軍をやめ、疎遠ではありませんが、軍にいたときのように共に戦うことはなくなりました」
 「それで?」
 「私は気づいたのです。────猪口と言う曹長をご存知ですか、殿下」
 「イノグチ? ────ああ、確かナオエの信頼が篤い下士官だな。背も高く体格もいい、強面の」
 「猪口曹長は直衛様の学生時代の助教でした」
 「それがどうした」
 「つまりは。直衛様にいろいろ教えた一人であります」
 「……(言葉が気になるけれど)それはクシロの二人もそうじゃないのか」
 「はい、殿下。いいえ。そうではありますが、あの直衛様に戦うことを教えた一人なのです。戦争が嫌いだと言う直衛様が誰よりも戦上手である、その基本を作った一人なのです」
 「………………」
 「しかも! 幼年学校時代、直衛様を教えながらさらに! 晴れて軍人となった直衛様の小隊に配属され(小説7巻237頁下段参照)、それ以後、事あるごとに共に戦場に立ち戦ったのであります!」(さらに漫画3巻195ページには西田と共に新城の隊にいたりする)
 「………………! な、なんと……! 待てよ。ということは、奴はナオエが15から今の歳までほとんど一緒だったと言うことか?」
 「おそらくは。あの方の人生の半分は戦野です。そしてその半分を曹長は共に戦っているのです」
 「──────サエカ」
 「はい」
 「最先任下士官がしばらく休養を取っても、他に代行できる者がいるか」
 「完璧にとは申せませんが、おります。下士官の任務は我らが口を挟む領域ではございませんが、幾人かに任せれば、十分に」
 「そうか。話が早くて助かる。では、行こうか
 「はい」




 「!!」
 「どうした、曹長」
 「はい、少し、寒気が」
 「風邪か? 君が珍しいな。というか僕の記憶の限りでは君が体調の管理を怠ったのを知らないが」
 「はぁ……なんと言うか、戦場にいるよりも恐ろしい敵と相まみえる心境であります」
 「なんだそれは」



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なんとなく西田ファンの方にも怒られそうなんですが、西田は新城の一つ下で、新城とあったのは新城が16の時、で、そのあとは一年は確実に会えませんし、さらに一年しか違わない少尉の下に新品少尉を同じ隊に入れる、と言うのも少々考えにくく思います。
なので、付き合いから言ったら猪口さんの方が長いんだなーと。
あとすみません、カップリングではありません。
他の方の作品を見るのは好き、むしろ見せてくださいなんですが(問題発言)、自分では『新城の片腕』で『世話女房、古女房』的な存在が一番好きです。猪口さん。カップリングでは戦友愛な新城×ユーリアが大好きです。


しかし、誰も敵わない新城の相手がおります。


千早。


彼女をおいて他に誰がいると言うのかー!!

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