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  のんびり気ままにGOC6攻略中。
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更にコレの続きです。
蒼紅の刃、その後のお話。
かなり好き勝手に書いているので今までのを見て受け入れられないなーと思われた方は開かないようお願い致します。
カップリングと言うより仲良く話しているだけなんです。

ところで最近知ったのですが、コロポックルナコは、離天京辺りにいる時だけの姿だとか。なんぞ、朧の術の影響だかで通常形態をとっていられないとか??
てことは里に帰ったら人間の時の姿なのでしょうか。
しかし、ナコはもう『人』ではなく『精霊』なんですよね。人であった頃と同じ身の丈持ってるけど通常は人には見えないのかな……どうなんだそこらへん。イメージイラストでタンポポやら小鳥やらとたわむれている姿を見ていたので、てっきり精霊になってからはあの姿がデフォルトかと思い込んでいた……orz
たわむれてるのは離天京の聖なる森?妹封印されとるのにほのぼのしすぎです姉様。覇王丸が朧たちを倒せる力を持つなら20年も待たず早う覇王丸呼んだら良かったやないかと(以下省略)
攻略本見たらたしかに22.5(155)センチって書いてるよ!

……ここでは大きいのも小さいのも自在になれるってことでお願いします!
うおおおおorz

うーん、蒼紅の刃、改めて考えるとツッコミどころ満載だ!
でも嫌いじゃないです。むしろ好き。
そして蒼紅の刃の話だけど色々設定間違ったまま続くのがこの話だ!!(吐血



 「……でな、迅衛門の奴、かなり最後までごねててなぁ」
 『それで、どうしたのですか?』
 「ははっ、結局は沙耶の粘り勝ちだ。迅衛門だって別に沙耶が嫌いなわけじゃねぇ。むしろ好ましく思ってたからな。ただ、自分と一緒になると苦労するってことが目に見えて分かってたからな……」
 『………………』
 「けれど、沙耶は笑って一蹴したんだとさ。それで泣くようなら最初から一緒になろうなんて思わないってよ」
 『……あの方らしいですね』
 「確かにな。今は仲睦まじく暮らしてる」
 『良かった。あの、では沙耶さんと仲の良かった娘さんは……?』
 「ああ、吉野凛花っていう娘だろう。あの娘はあれから姿は見てないな。蒼志狼が離天京から離れた時に会ったらしいんだが、あいつ、寝てたとかでよく覚えてないと言っててな……」
 『………………』
 語る方も聞く方も、僅かながら困った表情になる。
 「沙耶の話じゃ、旅に出たらしい。いい顔をしていたと言っていたから、おそらくは達者でやっているだろうさ」
 『そうですか……』
 傷つけられ、頑なになっていた少女の様子を、彼女と親しい者の言葉で聞いて安心する。そして話にあがった青年は今も常にどこ吹く風でいるようだとナコルルは思った。
 『それじゃ、命さんはどうしていますか?』
 今度はあの出来事の中心にもいた、紅い眼の娘の事を問いかけた。
 「命は今でも師匠のところで、あいつ……刀馬を待っているぜ」
 『………………』
 「でも、いなくなる前よりずっといい女になってな。これから辿る道がどうであれ、今の命自身が選んだことならきっと、満足のいくものになるだろうよ」
 『……そう、ですね……』
 己の出生と容姿、そして身の内に潜むものに翻弄されていた娘。彼女が果てに選んだ道は酷く辛いものだった。けれども彼女は愛する者を待ち、救いたいと願い、決めたのだ。それは、他者の口出しなぞは不要だった。
 「命と言えば……枯華院に戻ったとき、骸羅が帰ってきた命見るなり怒るわ泣き出すわで大変だったぜ」
 『まぁ』
 「あのでかい声と図体で命を心配するから、命もすっかり困り果てちまってよ。師匠が殴って止めなかったらどうなってたことやら。……まぁ、骸羅もそうだが、和狆の師匠にとっても、命は娘や孫みたいなものだからな」
 覇王丸の言葉から想像される光景に微笑ましさと安堵を覚えて、ナコルルは柔らかく微笑んだ。
 『……皆さん、新しい道を見つけられたみたいで、良かったです。皆さんには力を貸していただいて、本当に感謝して、言葉では足りないくらいでしたから……』
 「………………」
 立ち止まり、先に進めなかった者、道を見失い、迷い込んでいた者、過去を見据え、前を向かなかった者、己の務めを果たす者、ただただひたすらに己が道を突き進んでいた者。あの出来事はあらゆる意味で様々な者の転機となったかもしれない。その切っ掛けをどうするかはそれぞれが決めることだが、歩き出す者は多かっただろう。
 「……二十年、か」
 ポツリと覇王丸がこぼす。木の幹に寄りかかり、空を見上げた。相変わらず空は暗雲がたちこめ、ざぁざぁと雨は降り続いている。今はまだ水の匂いが強いが、雨が上がれば濡れた草や土の匂いが辺りを満たすだろう。
 「あいつらの中には、生れてすらいない奴もいるんだよなぁ」
 『はい』
 「…………長いな」
 『………………はい』
 二十年。人一人が成人し一人立ちするのに十分な年月だ。その年月を、ナコルルたちは封印された状態で過ごした。
 『……もっと早くにあの子を助けることができたら、良かったのですが』
 「今言っても詮無きことだろう。ああすればよかった、こうすればよかったと思い直し、それを糧にできるならまだしも、やり直すことができないのなら、別の方法を考えた方がいいんじゃねぇか」
 ともすれば酷い言葉を覇王丸はあっさりと投げかける。けれどナコルルは眼を伏せて頷いた。
 「……それにだ、こういう時にこその、姉妹なんじゃないのか?」
 ナコルルをちらりと横目で見ながら、覇王丸は口元に深い笑みを刻む。歳を経てもなお、変わらない笑みだ。
 『……はい、そうですね』
 つられるように、ナコルルも笑う。
 『……ふふ、やっぱり覇王丸さんが来てくださって良かったです』
 「んん?」
 『二十年経っても、覇王丸さんは覇王丸さんでしたから。こうなることも、こう生きることも選んだのは私自身だから、後悔はない。……でも少し怖くはあるんです。悲しいとも思う。けれど、覇王丸さんは覇王丸さんのまま生きている。それがとても嬉しいです』
 「わからねぇぞ、何年かしたらボケちまうかもしれんぞ?」
 『覇王丸さんでしたら多分大丈夫ですよ』
 くすくすと笑いながらナコルルは覇王丸の言葉を否定した。
 『……あの人も、そうであるのでしょうか』
 そしてふと、遠い目をして呟いた。覇王丸はその視線の先に見る者を理解していた。
 「大丈夫だろ。もし変わっちまっているところがあったとしても、お前さんはそれを受け入れることができるだろうさ」
 『そうでしょうか』
 「俺にそうだと言ってもらわなきゃ駄目かい?」
 深い笑みをたたえたまま、覇王丸はナコルルを見る。ナコルルも覇王丸をしばらく見上げ、それから視線を外して、大きく一呼吸した。
 『……いいえ。大丈夫、です』
 「そうか」
 短く応えて、覇王丸はまた空を見上げた。
 『もう……一緒にいることはできないけれど、だからと言って、このままじゃいけませんよね……』
 「………………」
 覇王丸から聞いた、今でもナコルルを待ち続けていると言う彼。それを受け入れることはもう二十年前のあのときからできないけれど、だからと言ってこのままずっと、会わないで終わってもいいのだろうか、と考える。一度はその方がいいと思ったけれど、今はどうだろうか。
 『……あ、覇王丸さん、雨が止んできました』
 「お、本当だな。雨足が遅くなってきた」
 立ち上がり、雨がかかる位置まで歩くと手を伸ばす。先ほどまで浴びるようだった雨粒は今は大分治まってきていた。
 「そろそろ行くとするか」
 『はい、リムルルも待っていますね』
 肩、宜しいですか、と覇王丸に断ってナコルルは腰掛ける。波が引くように小雨になった空の下を、覇王丸は歩き出した。
 「ナコルル」
 『はい』
 進む道先に視線を向けたまま、肩に乗る娘に声をかけた。
 「臆したらそこで終わりだぜ」
 『──────……』
 言われてナコルルは僅かに目を見張る。それから、小さく相好を崩した。
 『戦いに行くんじゃないんですよ?』
 「似たようなもんだろ」
 『………覇王丸さんたら』
 灰色の雲が裂け、その向こうに青い空が見え始める。鈴の音のような笑い声が初夏の少し冷たい風にのって流れた。







ぽんと背中を叩くように押すだけ。
支えはしない。
己が足で立って歩く。

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