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何となく思いついてしまったので都合がよくかつ設定おかしいのは百も承知。
取り合えず最初に書いてありますとおり、自分の好きなのしか書かんので。

あと私、ソウルズ2やってないので細かい突っ込みもスルー。
(早くやれ)

ミュウと誰かさんの話です。
ミュウファンにはきっついんじゃないだろうか。
いわゆる毒です。


8月7日に追記。

 聖者屠りし我ら 血の道を行く


 「こんにちは、お嬢さん」


 無垢な魂。幸せな魂。恵まれた魂。
 何も知らない魂。

 傷持つものをその綺麗な身で踏みにじる。


 薄汚れたローブをまとった青年。
 顔は分からないが声は楽しげだ。
 ミュウは立ち止まり塀の上に腰掛ける青年を見上げた。

 「こんにちは、君は誰?
  あっ、ボクはミュウって言うんだ」

 「へぇ~、可愛い名前だね。
  見た目も可愛いし、素直で本当に可愛いなぁ」

 「え? そ、そうかなぁ」

 「うん。凄く可愛い。
  ね、君もこの戦争に参加しているんだよね」

 「そうだよ。
  この戦争を早く終わらせたくって頑張っているんだ」

 「そうなんだ、凄いねぇ、えらいねぇ。
  解放軍って言ったら勇者を育てている学園の集まりだっけ」

 「そうじゃない人もいるよ。
  皆、戦争で苦しんでいる人たちを助けたくて、力をあわせているんだ」

 「ふぅん、凄いね、立派だね。
  じゃあ君は、勇者なんだ?」

 「ボクはまだまだだよ。
  でも、いつか皆を助けられるような勇者になるんだ!」

 「へぇ」


 無垢な魂。幸せな魂。恵まれた魂。
 何も知らない魂。

 満面の笑顔で答えるそれは確かに可愛らしく。


 「凄いな、僕も頑張ったら勇者になれるかな?」

 「誰にだってなれるよ!
  ね、君もボクたちのところに来ない?一緒に戦おうよ!」

 「一緒にか……そうだねぇ。
  一緒に戦えば勇者になれるのかな。
  ねぇ」

 「何?」



 「何人殺せば、勇者になれるのかな?」


 「──────」



 無垢な魂。幸せな魂。恵まれた魂。
 何も知らない魂。

 口元だけで青年は笑う。
 心底楽しそうに。
 それはいっそ、目の前の存在よりもただただ無垢な笑み。



 「ねぇ」

 「勇者は、いったい何人殺せば、なれるのかなぁ?」






--------------------------------------------------------

 可愛らしい顔が笑顔のまま凍りつき、次第に色を無くして行く。その様をうっそりと浸りながら青年は眺めていた。

 ああ、こいつもか。


 「……っち、違う!!
 そんな、人を、人を何人殺したら、勇者になれるか、なんて……っ
 そんなの違う! そんなの、勇者なんかじゃないよ!
 勇者は、勇者は、『勇気ある者』のことを言うんだ、
 それじゃあ、ただの人殺しじゃないか!!」

 動揺と怒りを込めた声を張り上げ、娘は絶対的な意思を貫くかの如く叫んだ。
 青年の口角が持ち上がる。

 「っへぇ~?」

 あからさまな、蔑みの声。

 「じゃあ何。
 勇者ってのは、人を殺さないのかよ」

 先程までの、奇妙に朗らかで気さくな態度が消えうせ、青年はフードを被ったまま、轟然と顎を持ち上げ、娘を見下ろした。

 「そうだよ!
 勇者は、人を殺すんじゃない、人を助けるんだ!
 困っている人たちを自分がもてる力を出し切って助けるんだ!
 皆の平和を作るために戦うんだ!」

 「っハッ!」

 嘲笑。
 更に娘への侮蔑が濃いものへと変化する。

 「アンタ、それ、本気で言ってんの?
 本気だったら大したもんだな~。ボク、感心しちゃうよ?」

 「どういう、意味」

 隠しもされない蔑み。

 見下され、罵倒されたことはある。謂れの無い暴言を叩きつけられたこともある。けれど娘はそんな言葉も、幼く無垢であるがゆえの率直な怒りと、物怖じしない態度、そして真っ直ぐな心根で受け止め、いつしかそれを吐いた者たちとすら友誼を交わしていた。

 だが。

 「アンタ、人を殺したこと無いだろう」

 「──────」

 「いや、案外あるかもね? ただ、アンタが知らないだけで。知ろうとしないだけで」

 口元に笑みを湛えたまま語るこの青年の態度は、過去に経験したことのないほど、何の迷いも無く娘に向けられている。

 「綺麗で可愛いお嬢さん♪
 勇者を夢見る女の子!
 アンタが歩いたあとには、傷つき倒れる守るべき民人達!
 キャハハハッ!」

 声高らかに、道化の如く塀に立ち上がり、両手を叩き合せ歌い上げる。
 何よりも楽しげな声は、間違いなく娘を蔑んでいた。


--------------------------------------------------------
まだまだ続く。

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