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ブログに検索避けを5月下旬ほどにいれました。
RSSも切ってあるので、もうしばらくしたら検索に引っ掛からないようになると、思います。多分。
あと、ブログのデザインを変えました。続きを読む、と言うのをもっと簡単に開ける方がいいなと思いこちらのテンプレートをお借りしました。前回は黒っぽいのから今度は白っぽいの。


今回は何故か佐武村です。
虎若と照星さんと三木ヱ門です。
元アイドル組四年生は面白い子達だなと思いました。


こっちも途中まで。


 「……てなことが、あったんだよ」
 三木ヱ門が火縄銃の掃除をしながらすぐ側で同じように手入れをしている三年は組の佐武虎若に言った。
 「そうだったんですかぁ……。道理で言いたがらないと。すみません」
 「……もういいよ、別に。私もまだまだ未熟だったってことさ」
 言葉ほど気にしていないようでもなく、それでも露骨に顔に出すでもなく、眉を寄せたまま、三木ヱ門は答える。
 あの夜の数日後には酷い腫れ方をした頬の三木ヱ門のことは下級生にも知るところとなっていた。最初は実戦でおった怪我だと言われていたが、様子がおかしかった。
 それからは特に何もなかったのだが、虎若が夏休みに自分の村へ帰るとき、火縄銃の名手である照星に教えを乞うために一緒に三木ヱ門も来た。その際、火縄銃の関係で利吉の名がでたとき、三木ヱ門は実に苦々しい顔を浮かべたのだ。そうすると、どうしてそんな顔をするのかと問い掛けたい。結局聞いた虎若に、三木ヱ門は村について落ち着いてから語った。
 「でも、利吉さんがそんな……」
 「不思議に思うかい、若大夫」
 二人の前に腰を下ろし、自前の火縄銃の点検をしつつ、二人の手先を見ていた照星が問い掛ける。
 「照星さん。……いえ、でも、確かにちょっと不思議には思うんですが、以前……似た利吉さんを見たことがあります。乱暴になったとか、そういうんじゃなくて……なんだろう、この間会った時はいつもの利吉さんみたく、話してたんですよ。なんだか、同じ利吉さんには思えないような……」
 自分の中で覚えた違和感を巧く言葉にできないもどかしさを抱えながら、虎若は首をかしげる。
 「田村君はどう思う?」
 「私ですか?……私は、確かに初めてあった頃のあの人と、あの夜のあの人が同じ人とは、かなり落差があるとは思いますが……改めて考えると、無理はないのかも、しれないな、と」
 「え?」
 「……お前たちだって昔から戦場に出てただろう。あの独特の雰囲気に飲まれそうになることはないのか」
 僅かに苦い顔をしながら言われ、虎若ははっとなる。
 一年生の頃は大抵皆一緒にいたし、先生たちもついていた。何をやるにも一生懸命で、例え命のやり取りをしている戦場であっても、危険だと分かっていても、どこか切り離されたような、自分たちには被害は及ばないような気すらしていた。
 けれど、物事が昔よりも遠くを見渡せるようになってきた今、自分たちはどれほど恐ろしい場所に身を置いていたのか、分かるようになってきていた。
 あの、ただの言葉など通じない、人が人を飲み込むような空気。
 「………………」
 「利吉さんは、今の私たちとそう変わらない年からプロとして活躍していた。昔は情報収集や隠密の仕事だったんだろうけど、少し前から戦忍として働いていると聞いた。あの中で戦を続けていたら、どんな者でも飲まれそうになると思う」
 「じゃあ、今の利吉さんは、戦に飲まれかけているんですか?」
 「……そうだな」
 三木ヱ門の言葉に虎若が照星の方へ向き直る。照星は軽く頷くと、目を少し伏せたまま続けた。
 「だが、少し違うだろうな」
 「え?」
 「違う、とは?」
 「私は山田利吉を知っているが、今の彼は確かに飲まれかけている。だが、彼はそれを制御する方法を知っているはずだ。けれど、田村君の話を聞くと、彼はあえて戦場の中に身を置き、飲まれているようにも思える」
 二人ともぎょっと目をむく。何を好き好んで、と。
 「彼は自分の仕事に誇りを持っている。それは一流たらんとする者としては立派だ。だが、その誇りゆえに、その忍びたる者、志す者に対し、己も含めて厳しくなっている」
 「………………」
 「彼は優秀で真面目だ。だが、力の抜き方を知らない。いや、知っていたが、それをしなくなった、と言う方が正しいかな」
 「でも、それじゃあ、きつくないですか?土井先生みたく、神経性胃炎になりそうですよ!」
 「……それは本人がどう感じているかによるだろう。今の彼は自分でそう望んでいるようだからね」
 「そんな……」

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